今回はフェブのDIYサポートをご利用いただいたお客様の事例です。
いろいろなご趣味をお持ちの方で、今回は「豆本展」に出展するので、作品の豆本を置く木製の台を作りたいとのご要望でした。木に塗装をし木目をうっすら浮き上がらせる仕上げにしたいとのこと。
主役はかわいらしい手の平にすっぽり収まる大きさの豆本です。ホタテ稚貝の中に中原中也や八木重吉の詩とともにオリジナルの写真や絵が配された不思議な魅力の豆本たちです。
この貝殻が収まる手作りの小箱もAさんブルーのグラデーションで、とてもきれいです。
豆本が主役ですから、台はシンプルで主張のないものとしました。作品を展示するスペースと持ち運びを考慮し奥行21㎝幅85㎝の板を二枚作ります。180㎝の長さの杉板をノコギリでほしい寸法に切ります。切り始めの位置に親指をあて、軽くゆっくりとりと切り込みを入れます。腕全体を使って、体と平行に前後にゆっくり腕を振るように切っていきます。
切った材は、端部のガサガサをなくすため、鉋をざっくりとかけます。
鉋くずをはらい落とし、ペンキを塗ります。ここで重要なのが色見の調合です。
私は通常、既成の色ではなく自分で調合して好きな色を作ります。
白のツヤなし水性ペンキをベースに、水性調色材をいれて好みの色に調合します。
ほんの一滴でものすごく濃い色に変わるので淡い色に仕上げたいときは、一滴ずつ慎重に。
いろいろな色を作って少しあそんでみたり。
色見が決まったら少々水をいれて濃度を見、刷毛で塗っていきます。
何に塗るのか、どういう仕上がりにしたいのかで水の量は変わります。
今回は塗装の下から木目が浮かび上がるような仕上げでしたので、濃いめのペンキを塗り、乾いたところで紙やすりや砥石、メッシュやすりを使用し塗装を削り落とすことで木目がうっすら浮かび上がるように仕上げました。
練習用の板で削り具合を確認したうえで本番です。今回は少々ペンキをたっぷりと塗りすぎたようでなかなか木目が現れません。暑い中頑張って削り、うっすらと木目がでてきました。
最初に塗った白と乾いてから白の上に重ねたブルーの色が混じり合い、微妙な色見がでました。
板が出来上がったところで、主役の豆本をディスプレイ。いろいろ遊んでみます。
暑い夏の日々に、涼しげでさわやかな空気を運んできてくれた豆本たち、今は岡山のギャラリーでたくさんの人の目を楽しませてくれているはずです。
おかやまいまなんどき!豆本どき! 20人の作家による小さな本の世界
2016/8/12~21 art space テトラへドロン
STUDIO FEVE(スタジオフェブ)は、多摩 八王子でDIYのサポート・オリジナル家具製作・建築設計を行っています。