椅子の気持ち

先日、ウインザーチェアをお譲りしたNさんのお宅を訪問しました。

古道具屋で購入したブロカントの椅子を、私が修理とリメイクを行ったもので時を経たしっとりとした風合いの椅子でした。

その椅子は、いい感じで部屋の一角に収まっていて、入った瞬間素敵だなと思いました。と同時に、テレビを見るのにいい椅子がほしいとのことだったけれど、ここからテレビは見えないなとも思いました。

「この椅子、ここにおいてやっと落ち着いたのよ。」とNさん。

当初は、テレビを見るのに最適な場所に置いたそうです。くつろげるよう背もたれの所にクッションや敷物をかけ使い始めたある時、「この子がここじゃない、こうじゃないっていいだしたのよー。」と。そこでいろいろ考え、椅子として座ることはやめ今の場所においたところ、すんなり馴染んで椅子も快適そうにし始めたとか。「ここが自分の居場所だって言ったのよ。家具にも心があるのよねー。」

確かに、同じモノでも、おかれる場によって全く見え方が違うのはよく経験することです。たまに出店する百貨店では、私たちの作るものが全然しっくりと来なくて、いつもがっかりします。

そのモノたちの声をきいて、そのモノたちが在りたいようにしてあげる、最善の居場所においてあげるというのは大切なことだと感じた出来事でした。そうしてしつらえた自分の居場所こそ本当に居心地のよい空間となるのだと思います。

ちなみに以前購入してくださったSTUDIO FEVEオリジナルのマガジンラックは、ナチュラルにさらりと使ってくださっていました。

STUDIO FEVE (スタジオフェブ)は、多摩 八王子でDIYサポート・DIYリノベーション・家具製作・建築設計・空き家事業を行っています。